Nature ハイライト

Cover Story:再現性の検証:社会・行動科学における再現性と複製可能性

Nature 652, 8108

ある研究の結果が信頼できるものであるかどうかを示す上では、3つの重要な要素がある。すなわち、1)再現性(その研究の手法とデータを用いて同じ結論を導き出せること)、2)複製可能性(独立したデータを用いてその研究の結論が得られること)、3)分析的頑健性(複数のチームが同じデータを再分析して同じ結論に到達できること)である。今週号では、特集として、社会・行動科学においてこれらの基準を検証した4報の共同研究論文を掲載する。B Nosekたちは、2報にわたって、再現性と複製可能性を調査した。研究チームは、再現性の評価では143報の論文を精査し、そのうち完全に再現できたのは54%にとどまったが、約74%はおおむね再現可能であった。複製可能性の調査では164報の論文から274件の公表された主張を再検証したところ、原著の結果と同じパターンを示したのは約55%にとどまった。第3の論文では、B Aczelたちが100件の研究を複数のチームに再分析させることで分析的頑健性を検証した。原著の知見を厳密に再現できたのはごく一部であったが、多くの研究チームは、全体として同様の結論に達した。そして第4の論文では、A Brodeurたちが経済学と政治科学に注目して、110報の論文を対象とした大規模な評価を行い、主張の85%が計算的に再現可能であることを見いだした。まとめると今回の4報の論文は、透明性の高いワークフローといった手法が社会・行動科学の研究結果の信頼性を強化するのに役立ち得ることをはっきりと示している。

2026年4月2日号の Nature ハイライト

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