Nature ハイライト
Cover Story:古き友:古代ゲノムから明らかになったイヌとヒトの初期の関係
Nature 651, 8107
Trustees of the Natural History Museum
表紙は、氷河期のスイスの集落の近くで、ヒトとその伴侶動物であるイヌが一緒にいる様子を描いた想像図である。イヌは何千年にもわたりヒトの伴侶であり続けてきた。イヌは家畜化された最初の動物であり、イヌの形態的特徴を備えている可能性のある遺骸の年代は、少なくとも1万4000年前にさかのぼる。しかし、初期のイヌの正確な起源と性質は、いまだよく分かっていない。今週号では2報の論文が、この問題の解明に向けた前進を示している。一方の論文では、A BergströmとP Skoglundたちが約200点の古代のイヌおよびオオカミの遺骸のゲノムを解析しており、もう一方の論文では、W Marsh、L Scarsbrook、L Frantzたちが、1万6000〜1万4000年前のイヌ2頭のゲノム塩基配列を報告して、塩基配列が解読された最古のイヌの年代を更新している。まとめるとこれらの論文は、イヌが、農耕が導入されるずっと前からユーラシア西部全域に広く分布していたことを示している。また著者たちは、イヌの遺伝的多様化が、従来考えられていたよりもはるかに早く始まっていたことを示す証拠も見いだしている。
2026年3月26日号の Nature ハイライト
天文学:超新星爆発が駆動する高温で大規模な銀河風
人工知能:学会採択レベルの論文を執筆するAI
光物理学:光速度を超えるように見える光の点
光コンピューティング:フォトニックチップ上で逆伝播を実行
太陽光発電:メモリスターの組み込みによる逆バイアス問題軽減
バイオイメージング:生きた生物における生化学反応の磁気共鳴による制御
気候科学:中程度の温暖化でも極端な気候が生じる
地球工学:循環水との同時注入による二酸化炭素の地下貯留
気候科学:特定の二酸化炭素排出による気候の損失と損害の定量化
古生態学:カリブ海のサンゴ礁食物網における多様性の低下
進化学:襟鞭毛虫の柔軟な多細胞化機構
進化ゲノミクス:酵母で新たなセントロメア構造が進化した仕組み
進化ゲノミクス:新しいセントロメアの進化を形作る仕組み
神経科学:パーキンソン病治療の狙いどころ
微生物学:多くの細菌防御系に共通する高次複合体の形成
免疫学:T細胞状態を決める転写因子の探索プラットフォーム
腫瘍免疫学:乳がんに対する個別化mRNAワクチンの実現可能性
構造生物学:大腸菌のLetAは、既知のものとは一線を画す新しいタイプの輸送体である
計算生物学:軽量化した深層学習モデルで、プロモーター調節の基盤を解析

