Nature ハイライト

Cover Story:古き友:古代ゲノムから明らかになったイヌとヒトの初期の関係

Nature 651, 8107

ゴフの洞窟(英国)で発見された1万4300年前のイヌの下顎骨。
ゴフの洞窟(英国)で発見された1万4300年前のイヌの下顎骨。 | 拡大する

Trustees of the Natural History Museum

表紙は、氷河期のスイスの集落の近くで、ヒトとその伴侶動物であるイヌが一緒にいる様子を描いた想像図である。イヌは何千年にもわたりヒトの伴侶であり続けてきた。イヌは家畜化された最初の動物であり、イヌの形態的特徴を備えている可能性のある遺骸の年代は、少なくとも1万4000年前にさかのぼる。しかし、初期のイヌの正確な起源と性質は、いまだよく分かっていない。今週号では2報の論文が、この問題の解明に向けた前進を示している。一方の論文では、A BergströmとP Skoglundたちが約200点の古代のイヌおよびオオカミの遺骸のゲノムを解析しており、もう一方の論文では、W Marsh、L Scarsbrook、L Frantzたちが、1万6000〜1万4000年前のイヌ2頭のゲノム塩基配列を報告して、塩基配列が解読された最古のイヌの年代を更新している。まとめるとこれらの論文は、イヌが、農耕が導入されるずっと前からユーラシア西部全域に広く分布していたことを示している。また著者たちは、イヌの遺伝的多様化が、従来考えられていたよりもはるかに早く始まっていたことを示す証拠も見いだしている。

2026年3月26日号の Nature ハイライト

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