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古代DNA:イヌは旧石器時代には西ユーラシアに広く分布していた
Nature 651, 8107 doi: 10.1038/s41586-026-10170-x
考古学的証拠から、イヌは1万5000年以上前の旧石器時代にオオカミから分岐したと示唆されている。しかし、最古の明確な遺伝的証拠は、約1万900年前の中石器時代の考古学的状況で発見されたイヌの遺骸と関連付けられたものである。今回我々は、トルコのピナルバシュの遺跡(1万5800年前)や英国のゴフの洞窟(1万4300年前)で発見されたイヌ科動物の遺骸に加え、セルビアの中石器時代の2つの遺跡(1万1500~7900年前のPadina遺跡と8900年前のVlasac遺跡)で発掘されたイヌの遺骸から、核ゲノムとミトコンドリアゲノムの両方を得た。解析の結果、遺伝的に均一なイヌの個体群が後期旧石器時代後期(少なくとも1万4300年前以前)には既にヨーロッパとアナトリアにわたって広く分布していたことが示された。この知見は、イヌが、ユーラシア西部の後期旧石器時代の遺伝的にも文化的にも異なるヒト集団の間、すなわち、マドレーヌ文化、エピグラベット文化、アナトリアの狩猟採集民の間で交換されていたことを示唆している。さらに、中石器時代におけるユーラシア東部のイヌ系統の大規模な流入が明らかになり、この流入は東部の狩猟採集民集団のヨーロッパへの移動と同時期であって、これが結果として、現在のヨーロッパのイヌ個体群を定義する主要な系統的特徴の確立につながったと考えられる。

