Nature ハイライト

Cover Story:脳の地図:マウスの脳全体の高分解能細胞アトラスから得られた、ゲノム、エピジェネティクス、構造に関する知見

Nature 624, 7991

空間トランスクリプトミクス的方法Slide-seq法では、マウス脳を101枚のスライスに分けて分析し、細胞タイプの詳細が脳全体にわたり包括的に捉えられた。図は、全てのスライスを重ね合わせて再構築されたマウス脳で、領域ごとに色分けされている。
空間トランスクリプトミクス的方法Slide-seq法では、マウス脳を101枚のスライスに分けて分析し、細胞タイプの詳細が脳全体にわたり包括的に捉えられた。図は、全てのスライスを重ね合わせて再構築されたマウス脳で、領域ごとに色分けされている。 | 拡大する

Credit: Macosko and Chen labs

今週号では、BRAINイニシアチブ細胞センサスネットワーク(BICCN)の共同研究者たちが、マウス脳全体をこれまでになく詳細にマッピングしたことを、9報の論文で報告している。H Zeng、X Zhuang、E Macoskoたちによる3報の論文では、マウス全脳のトランスクリプトーム空間細胞アトラスが報告され、数千種の細胞タイプの分子的シグネチャー、空間的構成、細胞間相互作用が図示されている(X Wangたちによる以前の関連論文でも、脳内の細胞タイプの構造が調べられていた)。E Callaway、J Ecker、Z Heたちによる2報の論文では、ニューロンのアイデンティティーとニューロンが軸索を伸ばす場所の関連性が調べられている。また、B RenとJ Eckerたちによる3報の論文では、マウス脳のエピジェネティック地形が調べられ、さまざまな細胞タイプの調節エレメントが検討されている。さらに、K ShekherとJ Sanesたちの論文では、17種の脊椎動物の単一細胞RNA塩基配列データを用いて、網膜における細胞タイプの進化が調べられている。

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