Nature ハイライト

細胞生物学:凝集体をしっかりと捕まえる

Nature 595, 7868

生体分子の凝集が細胞内区画の組織化と生物過程の調節に果たす役割は、生物学で現在最も活発に研究が行われている分野の1つである。R Altmeyerたちは今回、in vivoで凝集体の硬化を促進する2つの化合物について報告している。彼らは、ヒト呼吸器合胞体ウイルス(RSV)が相分離によって封入体と呼ばれる凝集体を形成すること、これらの化合物が封入体の液体としての性質を変化させ、それによってウイルスの複製を阻害することを示している。RSVに感染したマウスの肺にこれらの薬剤を送り込むと、ウイルス感染が制限された。これらの化合物は「in vivoで働く凝集体阻害剤」という画期的新薬であり、医薬品としてだけでなく、相分離に依存して起こる生物過程の解明を助ける手段としても広く役立つだろう。

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