Nature ハイライト

微生物学:微生物代謝物の酢酸は腸のIgAのトラフィックを調節する

Nature 595, 7868

免疫グロブリンA(IgA)は、複雑な腸内環境で免疫恒常性の維持に重要な役割を担っている。大野博司(理化学研究所ほか)たちは今回、微生物代謝物である短鎖脂肪酸の酢酸がIgAのレベルを上昇させるだけでなく、腸の共生微生物集団に対するIgA応答性の差異も促すことを示している。大腸菌(Escherichia coli)のみを定着させたマウスでは、酢酸によりIgA応答が増強されるが、それに比べて主要な共生細菌Bacteroides thetaiotaomicronのみを定着させたマウスでは応答が比較的弱かった。さらなる実験から、IgAのこうした選択的増強は、少なくとも部分的には細菌のリポ多糖による刺激活性の差異に依存しており、この差異が、大腸内のCD4 T細胞のシグナル伝達に及ぼす影響の違いにつながることが示された。

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