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遺伝学:3万1228例のヒト精子ゲノムから得られた減数分裂における変動の手掛かり
Nature 583, 7815 doi: 10.1038/s41586-020-2347-0
減数分裂は生殖に必須であるが、変化しやすくエラーも起こしやすい。染色体乗換え率は、配偶子間や雌雄間、同性のヒトの間でも変動があり、染色体の誤分離は染色体数異常(異数性)を引き起こす。今回我々は、多様な減数分裂の結果と、そうした結果が染色体、配偶子、ヒト個体の間で相関を持って変化する仕組みを調べるために、数千の個々の精子ゲノムを同時に解析するSperm-seq法を開発した。20人の精子ドナーから得た3万1228個のヒト配偶子のゲノムを解析したところ、81万3122例の乗換えと787例の異数染色体が突き止められた。精子ドナーは配偶子当たり0.01〜0.05の割合で異数性を持ち、染色体は乗換えによって減数第一分裂における不分離から部分的に保護されていた。一部の染色体やドナーでは、減数第一分裂中に不分離がより高頻度に起きており、また、減数第二分裂での分離失敗が多く見られる染色体やドナーもあった。精子ゲノムには、不分離だけでは説明できない多数のゲノム異常も見られた。多様な組換え表現型[乗換え率から乗換えの位置や乗換えの間隔(乗換え干渉の尺度)まで]は、個体間や細胞間で強く相関変化した。我々の結果を以前の観察結果と合わせることで統一的なモデルが得られ、このモデルでは、中心的な機構として減数分裂染色体の可変的な物理的凝縮が、多様な減数分裂表現型における個体間や細胞間の変動を生み出すと考えられる。

