Nature ハイライト

原子物理学:放射性分子を上手に使う分光法

Nature 581, 7809

重い放射性分子の精密分光は、放射化学や天体物理学などの分野の現象に関する我々の理解を深めるのに役立つ。さらに、こうした重い分子化合物は分子間相互作用が強いために核が変形していると予測されている。変形核は、基礎物理学定数の精密測定において興味深い。しかし、放射性分子の研究は、実験が非常に困難であるために妨げられている。それは、こうした分子は人工的に生成する必要があるが、生成率は極めて低いことが多く、寿命は非常に短い可能性があるからである。今回R Garcia Ruizたちは、CERNのISOLDE施設で行った一フッ化ラジウム(RaF)のレーザー分光研究について報告している。得られた測定結果からは、こうした放射性分子のエネルギー準位構造がレーザー冷却に適しており、将来の高精度研究に適した候補になることが明らかになった。

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