Nature ハイライト

神経科学:視覚を通じて脳地図を更新する仕組み

Nature 576, 7785

空間ナビゲーションは、空間の脳内表現と感覚入力の両方に依存しているが、専用のニューロン回路においてこの2つが可塑性のある地図としてコヒーレントに統合される仕組みはいかなる動物種でも明らかにされていない。今回、R WilsonとV Jayaramanの2つのグループがそれぞれ独立に、ショウジョウバエ(Drosophila)で多様なニューロン記録技術を用い、ハエが新たな視光景を経験する時に、視覚的に反応する「リング」ニューロンから「頭方向」ニューロン、つまり脳の中心複合体にある「コンパス」ニューロンへの抑制性入力が、どのように精緻化されるのかを報告している。これは、ハエ脳のシナプス可塑性がキノコ体以外で報告された最初の例であり、動物が新たな環境で自身の方向を取得し直す仕組みを説明する最初の実験的機構である。

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