Volume 442 Number 7106

Editorials

さまざまな問題を乗り越えてインフルエンザの速やかなデータ共有システムが合意に達したことは、ほかの感染症の研究や対策の進歩にも結びつくだろう。

Boosting access to disease data p.957

doi: 10.1038/442957a

ホモ・フローレシエンシスをめぐる激論は、古人類学の重要な発見につきものの活発な科学的論争で、歓迎すべきだ。

Rude palaeoanthropology p.957

doi: 10.1038/442957b

西欧の誤った認識が、途上国でも利用できる安価な体外受精の研究を妨げている。

p.958

doi: 10.1038/442598a

News

バイオセキュリティー研究施設の建設が増加する米国で、地域の反対運動も激化。

Locals rally to combat biodefence labs p.962

doi: 10.1038/442962a

多くの研究者が賛同して、鳥インフルエンザのデータ共有計画がスタート。

Plan to pool bird-flu data takes off p.963

doi: 10.1038/442963a

石油価格高騰で、日本の地球深部探査船「ちきゅう」の活動計画に影響が。

Sidelines p.964

doi: 10.1038/442964a

SPECIAL REPORT 冥王星の「惑星からの格下げ」が決まった。

Pluto: the backlash begins p.965

doi: 10.1038/442965a

欧州宇宙機関の月探査機「スマート1」が最後に月面に衝突することで、貴重な情報が得られると期待が。

Lunar probe ready to bite the dust p.969

doi: 10.1038/442969a

News Features

アフリカの体外受精:乏しい資金でできる妊娠

Fertility on a shoestring p.975

不妊のために虐げられるアフリカの女性を救うため、低コストの体外受精技術が緊急に必要だ。

doi: 10.1038/442975a

海洋学:病める海

Sick seas p.978

大気中の二酸化炭素濃度の上昇による海の酸性化が、海洋生物に深刻な影響を与える恐れがある。

doi: 10.1038/442978a

News & Views

防御と特権

p.987

免疫系は微生物を攻撃するだけでなく、生命維持に必要な器官が損傷を受けないように自己調節も行っている。アレルギーにかかわっていることで悪名高い細胞が、この防御機能で重要な役割をもつことがわかった。

doi: 10.1038/nature05165

独特か独特でないか?

Unique, or not unique? p.988

それが問題だ。万物の単一理論の探索の歴史は、科学自体の歴史と同じくらい古いが、現在では量子宇宙論研究者の領分である。しかし、探索の情報となる基本的な考え方の一部に疑問が投げかけられている。

doi: 10.1038/442988a

スピンによる光のシフト

p.990

NMR分光学は始まって以来大きく変化してきたが、シグナル検出の手法はこの手法が考案された当時からあまり変わっていない。最新の理論により、文字通り、物事に「新たな光」が当たるようになった。

doi: 10.1038/442990a

核に入り込む方法

p.991

可溶性タンパク質が細胞核に入り込む仕組みについては詳しく解明されているが、膜タンパク質がどうやって内核膜に組み込まれるのかは、長い間謎とされてきた。実際にはこの2つの間につながりがあることが、今回明らかになった。

doi: 10.1038/nature05173

カメラに写った衝撃の瞬間

Shock breakout caught on camera p.992

宇宙でのγ線バーストと超新星として知られる恒星爆発との間には、正確にはどんな関係があるのだろう。密接なものらしいというのがその答えで、強い磁場をもつ中性子星がこの両方の原因であるようだ。

doi: 10.1038/442992a

世間話で情報交換

Small talk p.994

「ナノ科学」のように研究領域の名称を改めることは、時流に乗るだけの意味しかないのだろうか。最近バーゼルで開催された会議では、この名前は少なくとも他領域の研究者を引きつけ、相互に発想を刺激し合うのに役立っていることが明らかになった。

doi: 10.1038/442994a

変な脂質生産

Peculiar lipid production p.995

トリパノソーマの1種であるブルーストリパノソーマ(Trypanosoma brucei)は睡眠病の病原体としてよく知られているが、奇妙な脂質代謝を行っていることが明らかになった。この代謝をターゲットにすれば、原虫をやっつけられるかもしれない。

doi: 10.1038/442995a

江橋節郎氏(1922-2006)

2006) p.996

細胞内カルシウムの調節における役割を発見した、生理学者の江橋氏が亡くなられた。ご冥福を祈りたい。

doi: 10.1038/442996a

Articles

マスト細胞は制御性T細胞による免疫寛容に不可欠な細胞である

Mast cells are essential intermediaries in regulatory T-cell tolerance p.997

doi: 10.1038/nature05010

カリオフェリンが介在する内核膜内在性タンパク質の取り込み

Karyopherin-mediated import of integral inner nuclear membrane proteins p.1003

doi: 10.1038/nature05075

Letters

GRB 060218と超新星および衝撃波の進化の関係

The association of GRB 060218 with a supernova and the evolution of the shock wave p.1008

doi: 10.1038/nature04892

X線フラッシュXRF 060218に付随した超新星

An optical supernova associated with the X-ray flash XRF 060218 p.1011

doi: 10.1038/nature05082

X線フラッシュXRF 060218からの相対論的な放出物と宇宙での爆発現象の割合

Relativistic ejecta from X-ray flash XRF 060218 and the rate of cosmic explosions p.1014

doi: 10.1038/nature05087

超新星SN 2006ajに伴うX線フラッシュは中性子星が引き起こした

A neutron-star-driven X-ray flash associated with supernova SN 2006aj p.1018

doi: 10.1038/nature05081

栄養ストレス診断で明らかになった熱帯太平洋の生産力制御要因

Controls on tropical Pacific Ocean productivity revealed through nutrient stress diagnostics p.1025

doi: 10.1038/nature05083

大西洋中央海嶺熱水域の下に発見されたマグマだまりと断層

Discovery of a magma chamber and faults beneath a Mid-Atlantic Ridge hydrothermal field p.1029

doi: 10.1038/nature05105

鰭の発生機構が初期脊椎動物の正中線で進化したことを示す証拠

Evidence that mechanisms of fin development evolved in the midline of early vertebrates p.1033

doi: 10.1038/nature04984

後生動物の増殖中の上皮における幾何学的規則性の出現

The emergence of geometric order in proliferating metazoan epithelia p.1038

doi: 10.1038/nature05014

ヒトの報酬追求行動はドーパミン依存的予測誤差に支えられている

Dopamine-dependent prediction errors underpin reward-seeking behaviour in humans p.1042

doi: 10.1038/nature05051

植物で世代を越えて伝わるストレスの記憶

Transgeneration memory of stress in plants p.1046

doi: 10.1038/nature05022

生きている細胞で観察した、本来内在する遺伝子座への熱ショック因子の結合の動態

Dynamics of heat shock factor association with native gene loci in living cells p.1050

doi: 10.1038/nature05025

Gal4転写因子がin vivoで機能するには、タンパク質分解による代謝回転は必要ない

Proteolytic turnover of the Gal4 transcription factor is not required for function in vivo p.1054

doi: 10.1038/nature05067

Tor1の核への局在とrDNAプロモーターとの結合は栄養素によって制御される

Nutrient regulates Tor1 nuclear localization and association with rDNA promoter p.1058

doi: 10.1038/nature05020

トレポネマ属細菌(Treponema primitia)の完全な鞭毛モーターのin situ構造

In situ structure of the complete Treponema primitia flagellar motor p.1062

doi: 10.1038/nature05015

「Journal home」に戻る

プライバシーマーク制度