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第16回 素粒子、光で地球をのぞく
- 夢の地球観測技術がもたらす革命

火山の噴火や大規模災害は、人々の生活に甚大なる被害を及ぼします。そのため、より正確な自然災害予知や被害評価を目指した研究が活発に行われています。今回は、従来の撮影可視化限界を超える新たな技術の可能性を探ります。

会の前半では、素粒子を用いた巨大物体の透視技術「ミュオグラフィ」や地球内部起源のニュートリノ「地球ニュートリノ」により、マグマの通り道である「火道」や東日本大震災で被災した福島第一原発内部の可視化例、また、地震、火山活動をはじめとする地球ダイナミクスを駆動する地球深部の放射性熱源の観測例、そして最先端レーダー技術の開発によって、これまで不可能とされてきた豪雨や竜巻をもたらす積乱雲の高速3次元可視化についてご紹介します。

後半では、地球観測の第一人者を集めて、参加者のみなさまを交えたパネル・ディスカッションを行います。

第16回 Nature Café は、MUOGRAPHERS 2015 本会議の一部として開催します。
国際会議ならびに Nature Café のお申込みは、以下の参加申込サイトより同時に受け付けております。なお、MUOGRAPHERS2015国際会議は以下の日程で催されています。

6月8日 開会前シンポジウム ハンガリー大使館(三田)
6月9日 MUOGRAPHERS x Nature Café 東京プリンスホテル「鳳凰の間」(芝公園)
6月10日 ワークショップ 東京プリンスホテル「末広」(芝公園)

MUOGRAPHERS 2015 x Nature Café
2015年6月9日(火)

会場:東京プリンスホテル 鳳凰の間
東京都港区芝公園3-3-1
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Tel: +81-(0)3-3432-1111

MUOGRAPHERS2015
基調講演:10:00〜12:30(受付開始 9:00)
竹内薫講演会:13:30〜14:45 (受付開始 12:30)
第16回 Nature Café:15:00~18:00(受付開始 14:00)
懇親会・ポスターセッション:18:00〜20:00

参加費:無料
参加方法:お申込サイトにて登録
申込締切:2015年5月30日(土)または定員(400名)になり次第

※参加は抽選となります。抽選結果は5月末日以降、ご登録いただいたメールアドレスまで配信されます。
※参加申し込みは終了いたしました。

田中 宏幸

東京大学教授

専門分野は高エネルギー素粒子を用いた地球観測。素粒子を用いた巨大物体の透視撮影を世界で初めて実証した。この分野における世界的な先駆者。

講演要綱:ミュオグラフィは2006年、火山の透視に世界で初めて成功して以来、X線が撮影できるサイズの限界を超える夢の技術として世界中の注目を集めてきました。しかし、そこには解決すべき問題も残されていました。従来は望遠鏡の感度が低く、1枚の透視像を得るのにひと月以上かかっていたのです。以来、東京大学はこの問題に取り組み続け、2013年、背景雑音を大幅に低減したミュオグラフィ望遠鏡の開発に成功しました。その後、鹿児島県の薩摩硫黄島を対象に行われたテスト観測では、噴火に連動した、火山内部のマグマの動きを3日に1枚の透視スナップショット画像として捉えることに成功しました。3日の時間分解能で火山浅部のダイナミクスを透視可視化したのは世界で初めてのことです。

井上 邦雄

東北大学教授
ニュートリノ科学研究センター長

カミオカンデ・スーパーカミオカンデを使って太陽ニュートリノ問題の解明に、またニュートリノ地球物理の創出や宇宙・素粒子の大問題解明に挑戦している。

講演要綱:ニュートリノは天体すら容易に通り抜けることができます。地球内部では地熱の生成に付随して大量のニュートリノが作り出されており、この地球ニュートリノの最大の観測装置が東北大学のカムランドであり、1000トンの液体シンチレータを用いています。等方的な発光特性をもつ液体シンチレータではニュートリノの到来方向がわからず、単独の装置での地球の『可視化』は不可能と考えられていましたが、高感度撮像装置と特殊な液体シンチレータの組み合わせで地球ニュートリノの方向を再構成できることが見出され、その開発が精力的に行われています。

牛尾 知雄

大阪大学准教授

電波リモートセンシング、地球観測、雷放電、環境電磁工学などの研究に従事。世界最速で降雨の構造を3次元的に見ることができる気象レーダーの開発に成功した。

講演要綱:夏季の夕方に、突然の大雨、ゲリラ豪雨に遭遇されたことのある方も多いのではないでしょうか。このゲリラ豪雨は、河川の氾濫,鉄砲水などをもたらし、都市の機能を麻痺させ,時には人命にも関わります。こうしたゲリラ豪雨を生む積乱雲を高速に3次元可視化するレーダリモートセンシングについて本講演では取り上げます。特に、大阪大、東芝、NICT が共同で開発を行った世界最高性能のフェーズドアレイ気象レーダを中心として、その背景、観測されたデータなどを通じて、災害に強い、安心安全な未来の社会像を紹介したいと思います。

中村 光廣

名古屋大学教授

素粒子や暗黒物質の観測機器を原子核乾板技術によって開発。国際共同研究OPERAでは超高速自動飛跡読み取り装置の開発も担当。原子核乾板技術を応用した火山、溶鉱炉、原発などの大型構造物の透視にも取り組む。

講演要綱:名古屋大学の原子核乾板技術を応用した、ミュオグラフィを東京電力福島第一原子力発電所2号機の原子炉に適用して、内部を透視しました。これにより、2号機の透視画像の炉心領域の物質量は、健全な燃料が現在も炉内に存在する5号機よりも少ないことが判明しました。その結果、シミュレーションで示唆されてきた炉心溶融が実際に起こっていることが裏付けられました。

竹内 薫

サイエンス作家

物理、数学、脳、宇宙、など幅広い科学ジャンルで発信を続ける一方、テレビ、ラジオ、講演なども精力的に活動している。

井口 俊夫

情報通信研究機構フェロー
電磁波計測研究所前所長

これまでほぼ一貫して電波を利用したリモートセンシング技術の研究を行ってきた。熱帯降雨観測計画(TRMM)から全球降水観測計画(GPM)へと続く人工衛星による降水の3次元構造の観測計画においては、我が国における主導的研究者として、研究立案やシステム開発に携わってきた。

ジョン・グルーヤス

ダラム大学教授
ダラム大学地球エネルギーセンター長

2001年にエイコン石油ガス株式会社を創業。これまでに地層や石油地球化学関係の論文を多く出版している。また、英国地質学会戦略室、理事会をリードしてきた。

ピーター・レヴァイ

ハンガリー科学アカデミー教授
ウィグナー物理学研究センター長

これまでに素粒子物理学分野の理論的研究を精力的に進めてきた。これまで出版してきた論文のサイト数は共同研究も含めて6500余りに上る。

堀内 典明

Nature Photonics アソシエートエディター

2002年理化学研究所研究員となり、非線形光学、結晶成長、フォトニック結晶などの研究課題に取り組む。2009年にネイチャー・パブリッシング・グループに入社し、現職に着任。

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