Abstract

次世代粒子加速器:国際リニアコライダー(ILC)

Nature Reviews Physics

2019年2月28日

The International Linear Collider

超伝導高周波技術を用いる250 GeVの次世代電子・陽電子衝突型加速器、国際リニアコライダー(International Linear Collider : ILC)について道園真一郎が解説する。

国際リニアコライダー(ILC)は、素粒子物理実験を目的として計画されている全長約20 kmの電子・陽電子衝突型加速器である。ILCの設計研究は2004年に始まり、2013年には、国際共同設計チーム(Global Design Effort : GDE)による長年の研究開発(R&D)の結果をまとめた「技術設計報告書(Technical Design Report : TDR)」が発表された。発表後、直線型衝突加速器に関するR&D活動がリニアコライダー・コラボレーション(Linear Collider Collaboration: LCC)によって組織された。 2012年に、CERNの大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider : LHC)実験でヒッグスボソンが発見されたことで、素粒子物理学が新たな時代に入るとともに、ヒッグスファクトリーとしてのILCの科学的意義がより明確になった。2017年11月、国際将来加速器委員会(International Committee for Future Accelerators : ICFA)は、重心系エネルギー250 GeVでの実験に向けたILCの建設を支持する声明を発表した。LHCが複合粒子である陽子同士を衝突させる14 TeVの円形加速器であるのに対し、ILCは素粒子同士(電子と陽電子)を衝突させる線形加速器である。ILCは、ハンブルクの欧州X線自由電子レーザー(European X-ray Free Electron Laser :X-FEL)の運用によって成熟度が立証された超伝導高周波(SRF)技術を採用している。

Shinichiro Michizono

Corresponding Author

道園 真一郎
高エネルギー加速器研究機構(KEK)

doi:10.1038/s42254-019-0044-4 | 英語の原文

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