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E型肝炎ウイルス感染症

Nature Reviews Disease Primers

2017年11月16日

Hepatitis E virus infection

E型肝炎ウイルス感染症
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E型肝炎ウイルス(HEV)感染症は、神経症状や腎障害などの肝外症状を伴う急性および慢性肝炎の発症につながる。このHEV感染症は急性ウイルス性肝炎の原因となる世界で最も多い感染症である。ヒトに感染するHEVには主に4つの遺伝子型が知られており、その内、HEV遺伝子型1および2はヒト偏性病原性で、HEV遺伝子型3および4は大部分が人獣共通感染性である。ごく最近になるまで、HEVは発展途上地域での急性肝炎流行の主因であり、これにはヒト糞便で汚染した水の摂取が関係すると考えられてきた。ところが、一部の限られた先進地域でもHEV感染例が増加してきている。このような地域の医療施設では、人獣共通感染だけでなく、汚染された血液製剤による感染が原因で、免疫低下患者に慢性肝炎が発症することがある。HEV感染症の診断は、血液または糞便中の抗HEV抗体、HEVのRNAあるいはウイルスカプシド抗原の有無によって行われる。現在、有効なHEVワクチンが認可されているのは米国と中国のみである。急性E型肝炎は、通常、自己限定的で特異的治療を必要としない。免疫低下患者の管理では、免疫抑制薬の減量、または抗ウイルス薬リバビリンの投与、あるいはその併用が行われている。

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E型肝炎ウイルス感染症は、急性ウイルス性肝炎の原因となる世界で最も多い感染症である。このウイルスは感染した動物やヒト糞便で汚染した水の摂取を介する食物連鎖によって伝播していくが、医原性に感染する場合もある。
本Primerの図解サマリー

doi:10.1038/nrdp.2017.86

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