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関節リウマチに対するグルココルチコイドとDMARDの併用療法に関する最近の見解

Nature Reviews Rheumatology

2010年12月1日

Current view of glucocorticoid co-therapy with DMARDs in rheumatoid arthritis

グルココルチコイドは、関節リウマチ(RA)に対して広く利用されている抗炎症・免疫抑制薬である。この10年間に、低~中用量のグルココルチコイドの疾患修飾能が再確認され、DMARDとグルココルチコイドの併用投与が、多くの治療プロトコールの標準法となっている。特に、早期の疾患に対する治療でよく利用されているが、罹患期間の長いRAに対しても用いられている。利用されるグルココルチコイドレジメンは、低用量の継続投与から高用量の間欠投与まで様々である。RAに対してDMARDと併用投与するグルココルチコイドの臨床利用の論理的根拠に関する研究で、現代のタイトコントロールを行う治療戦略において、この方法が確固たる地位を築いていることが明らかになった。また、早期RA患者の治療開始後2年間では、グルココルチコイド併用療法に疾患修飾作用があることも明らかになった。さらに、中用量および高用量のグルココルチコイドは、DMARD投与開始からDMARDが治療効果を発揮するまでの期間を橋渡しする上で有用である。グルココルチコイド関節内投与は良好な局所制御が達成できるため、タ イトコントロールを行う戦略で利用されている。リスク・ベネフィットが改善されると考えられる新しいグルココルチコイド化合物が、臨床で利用できるようになってきている。グルココルチコイド投与の良好なモニタリングもリスク・ベネフィットを改善させ、投与に関連した有害作用に関する患者とリウマチ専門医の懸念を和らげるのに有用である。

doi:10.1038/nrrheum.2010.179

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