Review Summary

外科手術への洞察:前立腺摘除術後の尿失禁の外科的管理―人工尿道括約筋と男性に対するスリング手術

Nature Reviews Urology

2007年11月1日

Surgery Insight: surgical management of postprostatectomy incontinence—the artificial urinary sphincter and male sling

男性の腹圧性尿失禁は通常、前立腺癌手術後の固有括約筋不全の結果生じる。最初の12カ月間は、水分制限、薬物治療、骨盤底筋訓練による積極的な保存的管理が適用される。わずらわしい尿失禁が持続する場合は、排尿筋の蓄尿機能、収縮力および括約筋損傷がないことを評価するため尿流動態検査を行う。標準的な外科的治療選択肢には、periurethral bulking agents、人工尿道括約筋(AUS)、スリング手術(male sling)などがある。periurethral bulking agentsにより満足できる結果が得られるのはごく少数の患者であるため、AUSおよびスリング手術が依然として最も多い外科的治療である。重度尿失禁患者では、AUSのほうがスリング手術よりも成功率が高いと思われる。さらに、スリングの固定抵抗に打ち勝つには排尿筋が十分に収縮することが必要であるため、排尿筋の収縮力が低下している男性にはAUSが適用される。より軽度の腹圧性尿失禁患者では、この2つの手技の短~中期効果はほぼ等しい。最近の男性に対するスリング手術の報告は、概ね追跡調査期間が1~4年に限定されているが、適切に選択した患者における感染発現率、びらん発現率、再手術率は、スリング手術のほうがAUSよりも若干低いようである。

doi:10.1038/ncpuro0935

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