古生物学:中国で発見された新しい羽毛恐竜
Nature Communications
2026年9月30日
中国北東部で発見された羽毛恐竜の新種は、飛行に関連する特徴が、鳥類に似た恐竜の複数の系統でそれぞれ独立して進化したという説を支持する新たな証拠となる。オープンアクセスジャーナルNature Communications に掲載されるこの発見は、約1億4500万~1億年前と推定される地層から発見された、ミクロラプトル類(microraptorine;羽毛と翼を持つ小型恐竜)のきわめて保存状態の良い化石の分析にもとづいている。
ミクロラプトル類は、鳥に似た小型の肉食恐竜であり、鳥類に最も近縁な恐竜群の一つである。これらの羽毛を持つ恐竜は、おもに中国北東部で発見されている。化石によると、一部のミクロラプトル類は前肢と後肢の両方に長い羽毛を持っており、こうした羽毛は、飛行への適応を示唆している。これらの特徴が、原鳥類(Paraves;ミクロラプトル類や鳥類を含むグループ)における飛行への適応の起源を示すのか、それとも独立して進化したのかは、依然として明らかになっていない。ただし、現在の証拠は後者の説の方が有力であることを示唆している。
Andrea Cau(OPHIS古生物学博物館・爬虫類センター〔イタリア〕)、Qiang Ji(河北地質大学〔中国〕)、Xuri Wang(中国地質科学院、河北地質大学〔中国〕)らは、中国遼寧省(Liaoning)の白亜紀前期の九仏堂層(Lower Cretaceous Jiufotang Formation)で発見された「Norellraptor barsboldi」という新種について報告している。完全な骨格の長さは、57センチメートルで、羽毛の一部も保存されている。化石の分析から、この個体は死亡時に少なくとも3歳だったと推定され、飛行に関連する一連の特徴も明らかになった。著者らが進化系統を比較したところ、ミクロラプトル類の進化で現れた特徴の約30%は、鳥類の系統でも進化していたことがわかった。しかし、これらの共通する特徴が現れた順序は、両グループ間で一貫して異なっていた。
これらの発見は、ミクロラプトル類と鳥類が、共通の飛行装置、または、その進化を駆動した共通の発生過程を受け継いだという考えに疑問を投げかける。著者らは、両系統には異なる選択圧が作用し、各系統の飛行関連形質が独立して進化したと考えている。このパターンが鳥類に似た恐竜にどの程度広く見られたのかを検証するには、さらなる化石証拠および骨成長に関する証拠が必要である。
- Article
- Open access
- Published: 29 September 2026
Wang, X., Ji, Y., Cau, A. et al. Independent assembly of the flight apparatus in a non-avian dinosaur clade. Nat Commun 17, 10074 (2026). https://doi.org/10.1038/s41467-026-77804-6
doi:10.1038/s41467-026-77804-6
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