天文学:連星超新星系の候補
Nature Communications
2026年7月22日
IC 443(Index Catalogue 443;別名「クラゲ星雲〔Jellyfish nebula〕」)を形成するために爆発した恒星の伴星の残骸である可能性がある天体の発見を報告する論文が、オープンアクセスジャーナルNature Communications に掲載される。複数の証拠によって裏づけられたこの発見は、両方の恒星が超新星爆発を起こしたと考えられる、連星系として、初めて知られる候補であることを示している。
超新星残骸とは、超新星(恒星の爆発)の後に残された、膨張する破片の雲のことである。私たちの銀河系には、数百ものそのような残骸が知られているものの、特に天の川銀河の密集した領域では、それらの関連性を特定することは困難である。よく研究されている例の一つがIC 443であり、これは地球から約6,000光年離れたふたご座に位置する残骸である。この残骸は、ほかの天体構造の近くにあり、複雑なガスと塵の雲の中に位置しているため、その周辺領域の研究は難しい。
Miltiadis Michailidisら(スタンフォード大学〔米国〕)は、フェルミ大面積望遠鏡(Fermi Large Area Telescope)による16年間にわたるガンマ線観測データと、eROSITA(extended ROentgen Survey with an Imaging Telescope Array)宇宙望遠鏡によるX線データ、および補完的な多波長データを組み合わせた。これらのデータを用いて、著者らは、最近発見された超新星残骸G189.6+3.3がIC 443と同じ物理的環境に位置していることを示した。これは、両者が近接して存在し、地球からの距離もほぼ同じであることを示唆している。年齢の推定値によると、G189.6+3.3の親星は、IC 443を生み出した爆発の約2万~10万年前に爆発した可能性が示唆される。統計解析やシミュレーションを用いたこれらの測定値の検証により、偶然の配置である可能性は非常に低いことが示唆された。これは、これらの残骸の前身となった2つの星が、連星系としてともに誕生したと考えられる。
この発見は、超新星および連星系の双方に関する私たちの理解に新たな知見をもたらす可能性がある。
- Article
- Open access
- Published: 21 July 2026
Michailidis, M., Lemoine-Goumard, M., Willcox, R. et al. Shared cloud interactions unveil a candidate binary-system supernova pair with no known analogue. Nat Commun 17, 6190 (2026). https://doi.org/10.1038/s41467-026-74978-x
doi:10.1038/s41467-026-74978-x
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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