Nature ハイライト

進化学:胚発生の細胞別トランスクリプトミクス

Nature 571, 7765

今回M Levineたちは、動物の胚発生に関する高分解能の単一細胞RNA塩基配列解読(scRNA-seq)解析の結果を報告している。研究対象はカタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)で、この動物を対象とすることには複数の利点がある。第一に、カタユウレイボヤの胚を構成する細胞は比較的少数なため、個体全体のscRNA-seq解析が行いやすい。第二に、ホヤの発生は個体差がなく確定しており、細胞の系譜がすでによく知られている。そして第三に、ホヤ類に代表される被嚢類は脊椎動物に最も近縁な現生動物であるため、脊椎動物の数々の新規性の進化に関して驚くほど多くのことが明らかになる可能性がある。今回の研究で得られたカタユウレイボヤの単一細胞トランスクリプトーム系譜からは、ホヤ類の胚発生に関して多くのことが明らかになり、脊索動物に見られる脊索などの構造や、脊椎動物に重要な終脳などの構造の起源について手掛かりがもたらされた。

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