Nature ハイライト

免疫学:炎症性関節疾患の病因における滑膜繊維芽細胞の役割

Nature 570, 7760

C Buckleyたちは今回、単一細胞解析を用いることで、関節炎の際に免疫介在性炎症を仲介する繊維芽細胞サブグループと関節損傷を仲介する繊維芽細胞サブグループを特定した。これらのサブグループは、遺伝子や細胞表面分子の発現パターンが異なることを特徴としており、滑膜中の異なる部位に存在する。このため、異なるタイプの関節炎(例えば、関節リウマチと変形性関節症など)でしばしば観察される炎症や組織損傷の違いには、細胞学的のみならず解剖学的な基盤もあることが示唆される。これらの知見は、造血細胞に異なるサブセットが観察されるのと同様に、間葉系細胞にも機能的に異なるサブセットがあるという考えを支持するものであり、この発見は治療を目的とした繊維芽細胞の操作に新たな機会を開くかもしれない。

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