Nature ハイライト

タンパク質工学:生体触媒反応の改良

Nature 570, 7760

タンパク質の設計によって、天然には見られないものを含め、特定の機能に合った多くの酵素触媒が作られている。しかし、設計による進化は強力ではあるものの、一般的に、タンパク質を構成するアミノ酸によって限定される。今回A Greenたちは、タンパク質の構成を拡張して他の残基を取り入れることによって機能を向上できることを示している。著者たちは、天然に見られる通常の触媒三残基を用い、そのうちヒスチジンをメチルヒスチジンに置き換えることで、加水分解酵素を一から設計した。メチルヒスチジンは、有機触媒反応から着想を得たもので、求核触媒であるジメチルアミノピリジン(DMAP)に似た働きをする。今回の研究は、他分野の合成方法のアイデアを酵素でも実行して新しい化学的機能を実現できる可能性があることを示唆している。

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