Nature ハイライト

ゲノミクス:嗅覚受容体の選択

Nature 565, 7740

マウスの嗅覚受容体は、1000以上の遺伝子からなるファミリーにコードされており、これらの遺伝子は組織化されてクラスターを形成し、ほとんどの染色体にまたがって分布している。成熟した各嗅覚ニューロンで発現するのは1つの嗅覚受容体遺伝子のみである。S Lomvardasたちは今回、選別された嗅覚ニューロンでHi-C実験を行い、嗅覚受容体遺伝子クラスターは特定の染色体間接触を形成し、そうした接触は細胞分化に伴って増えることを見いだした。これらの接触は、転写因子のLHX2やLBD1が結合する、遺伝子間嗅覚受容体エンハンサーによって調節され、その結果、転写活性を持つ単一の嗅覚受容体と相互作用する多数染色体由来スーパーエンハンサーが形成される。これらの知見から、遺伝子発現の調節における染色体のトランス相互作用の役割が機能的に裏付けられた。

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