Nature ハイライト

分子生物学: ガのpiRNA生合成経路はハエよりも単純

Nature 555, 7695

転位が無制限に起こるとゲノムの安定性が低下するため、生殖系列ではpiRNA(PIWI-interacting RNA)がトランスポゾンを抑制している。塩見美喜子(東京大学)たちは今回、カイコガ(Bombyx mori)においてTrimmer(Trim)、Zucchini(Zuc)、Nibbler(Nbr)という、複数のpiRNA生合成因子の役割を調べた。ハエとは異なり、TrimやNbrはガではpiRNAの成熟に主な役割を担っていないようで、Zucは5′末端ではなく3′末端に作用することが分かった。これらの結果から、ガには、ハエで報告されているカノニカルなピンポン機構(piRNAを特異的に増幅し、活性を持つトランスポゾンを抑制する適応経路)を促進する装置が存在しないために、ガのpiRNA生合成経路はハエよりも単純であることが明らかになった。

Letter p.260
doi: 10.1038/nature25788 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2018年3月8日号の Nature ハイライト

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