Nature ハイライト

微生物学: 球菌の細胞分裂についての難問

Nature 554, 7693

細菌細胞壁はペプチドグリカンで構成されている。桿菌は2種類のペプチドグリカン合成装置を持ち、1つは細胞伸長のためだけに、もう1つは隔壁形成のためだけに使われる。 対照的に、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などのグラム陽性球菌には、そうした装置が1種類しか存在しない。球菌がペプチドグリカン合成を細胞分裂と協調させる仕組みは、これまで分かっていなかった。今回M Pinhoたちは、単一細胞蛍光顕微鏡法を用いて、黄色ブドウ球菌の細胞質分裂が2段階で起こることを示している。最初の遅い段階は、膜の陥入を引き起こし、これには細胞骨格タンパク質FtsZのトレッドミリングが関与していた。次のより速い段階は、脂質IIフリッパーゼと推定されるMurJの細胞中央部への誘導と同時に起こり、この段階でこの部位での速いペプチドグリカン合成が開始した。著者たちは、MurJが、ペプチドグリカン合成を細胞の周辺部から隔壁へと移動させるための分子的合図であり、これによって細胞分裂が可能になると考えている。

Letter p.528
doi: 10.1038/nature25506 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2018年2月22日号の Nature ハイライト

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