Nature ハイライト

植物進化学:色を生む規則的な不規則性

Nature 550, 7677

花弁の基部領域は、含まれる色素は暗色だが、表面にある不規則な格子状構造のために青色に見える。
花弁の基部領域は、含まれる色素は暗色だが、表面にある不規則な格子状構造のために青色に見える。 | 拡大する

Credit: Howard Rice

自然界は、境界がやや曖昧なことが常であるが、その曖昧さには目的がある。多くの花は、花弁の表面に筋や隆線があり、それらが光を散乱させる。しかし、そうした隆線の列は、必ずしも厳格に規則正しく並んでいるわけではない。今回B Gloverたちは、調べた全ての顕花植物で花弁にそのような筋のあるものには、もれなく同程度の不規則性が見られることを発見した。こうした不規則性が花弁の周囲に「青い光輪」を作り出し、花粉媒介者を引きつけるのである。著者たちは、昆虫などの動物が花粉を媒介する全ての顕花植物において、同様な不規則性が生じているが、動物が花粉を媒介しない最も原始的な花には、こうした規則的な不規則性は存在しないらしいことを見いだしている。

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