Nature ハイライト

Cover Story:ヒトであるということ:健常組織における遺伝子発現に対する遺伝子変異の影響のカタログを作る

Nature 550, 7675

GTEx(Genotype-Tissue Expression)コンソーシアムは、死後提供者から得られた正常な健常組織を幅広くサンプリングして、人体のさまざまな組織について、多数の個体にわたる遺伝子発現レベルの参照カタログと関連する組織バイオバンクを確立した。今回のArticleで、GTExコンソーシアムは、449人の提供者から得られた44種類のヒト組織の7051例の標本を含む、複数の組織と個体にわたるこれまでで最も大規模な遺伝子発現の調査結果を提示している。彼らは、さまざまな組織や個体での遺伝子変異と遺伝子発現の関係の特徴を調べ、遺伝子の大半が、それらに近い場所の遺伝子変異によって調節されていることを見いだした。関連するLetterでは、A BattleとS Montgomeryたちが、ヒトの組織の遺伝子発現に対するまれな遺伝子変異の影響を調べている。また、D MacArthurたちは、ヒトの組織のX染色体不活性化の全体像を系統的に調べている。さらに、J Linたちは、哺乳類でのアデノシンからイノシンへのRNA編集の包括的な種間分析を行っている。News & Viewsでは、M WardとY Giladが、こうした最新の結果を分かりやすく説明し、今回の知見がヒトゲノムの調節コードの解読にどのように役立つか論じている。

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