Nature ハイライト

疫学:肥満症と活動的不平等との関係

Nature 547, 7663

世界では、毎年数百万人が身体不活動に関連して死亡しているが、異なる集団における活動パターンに関する我々の理解は、大規模な計測が行われていないため不十分である。J Leskovecたちは今回、46か国の60万人を超える人々からスマートフォンのセンサーを利用して集めた、活動パターンのデータを分析している。その結果、各集団の活動レベルには大きな分布のばらつきがあり、こうした活動の不平等性は主として女性の活動レベルによっていることが明らかになった。集団における活動の最小グループと最大グループとの間の不平等性は、それらの集団の肥満症罹患率を、平均活動レベルよりも的確に予測していた。また、歩きやすい都市ほど不平等性は小さく、活動の最大の増加が認められたのは女性であった。以上の知見は、都市計画および公衆衛生政策では、集団の中で最も不活動なグループでの活動の増加に焦点を合わせることが有益となる可能性を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度