Nature ハイライト

神経科学:ヒト臍帯血は認知機能を高める

Nature 544, 7651

加齢は認知機能の変化をもたらし、そうした変化は神経疾患につながる可能性がある。T Wyss-Corayたちは今回、ヒトの臍帯血漿が加齢マウスで海馬を活性化し、認知機能を改善し得ることを明らかにしている。彼らは血中因子のTIMP2(tissue inhibitor of metalloproteinases 2)が、ヒト臍帯血漿や若齢マウスの血漿、若齢マウスの海馬に多く含まれていることを見いだした。TIMP2は全身投与後に脳に入り、臍帯血漿による認知機能改善に必要である。また、全身性のTIMP2は、若齢マウスの空間記憶に必須であり、脳切片をTIMP2抗体で処理すると、長期増強を阻害することから、TIMP2は正常な海馬機能でも役割を持っていることが示唆される。

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