Nature ハイライト

天文学:ガスのアウトフローはブラックホールの内部円盤に応答している

Nature 543, 7643

銀河の中心にある超大質量ブラックホールは、活動銀河核の光度と、銀河から活動銀河核に落下するガスの量が関与するフィードバックループによって、ホスト銀河の成長を遅くしている可能性がある。ガスのアウトフローが星間物質中に大量のエネルギーを放出しているため、周囲のガスが一掃されている可能性もある。今回M Parkerたちは、活動銀河核IRAS 13224–3809のX線スペクトル中に、超高速ガスフローによる複数の吸収線を観測した結果を報告している。この活動銀河核では、吸収と、降着円盤の内側の領域から生じた放射が強く反相関している。円盤風を示す痕跡は、電離した単一のアウトフローと一致していることから、吸収と放射という2つの現象が結び付く。内部円盤からの放射に応答する円盤風の検出は、ブラックホールの重力半径の数倍以内の領域から生じたX線のフラックスが高まるにつれて高速のアウトフローガスが電離するという、非常に異なるスケールで生じている降着過程の間の関連を実証している。

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