Nature ハイライト

社会進化学:子育ての負担を分かち合う

Nature 540, 7631

巣で抱卵を交代するミユビシギ(<i>Calidris alba</i>)のつがい。
巣で抱卵を交代するミユビシギ(Calidris alba)のつがい。 | 拡大する

Credit: Jeroen Reneerkens

生物リズムはあらゆる生物に認められるが、社会性の種では、こうしたリズムを集団内の他の個体と同調させる必要がある。今回M Bullaたちは、共に子の世話に当たっている両親が互いの生物リズムをどのように同調させるのか、という問題に取り組んでいる。両親が互いのスケジュールを同調させて連続的な抱卵を成し遂げる渉禽類(シギ・チドリ類)32種について、91個体群の729の巣から得たデータを用いた研究から、環境条件が類似していても、また24時間という一様な環境信号があるにもかかわらず、社会的同調によって、飼育下の鳥類での研究から推測されたよりもはるかに多様な行動リズムが生じ得ることが分かった。飢餓ではなく捕食のリスクが、生物リズムの多様性の重要な決定要因である可能性がある。

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