社会進化学:渉禽類の社会的に同調されたリズムの意外な多様性
Nature 540, 7631 doi: 10.1038/nature20563
生物の行動リズムは強い選択を受けており、これには環境のリズム性が影響を及ぼすと考えられている。こうした行動リズムは、実験室条件下の隔離された個体ではよく研究されているが、自由生活する個体では、さまざまな活動を他の個体(潜在的な配偶相手、競争相手、被食者、捕食者など)と時間的に同調させる必要がある。各個体は、おのおのの日周活動(例えば、被食者の捕食回避、劣位個体の優位個体からの回避など)から一時的に離れたり、互いの活動を同調させたりすることができる(例えば、群れでの採餌行動、共同防衛、つがいによる繁殖や子の世話など)。こうした社会的同調から生じる行動リズム、およびそれらを形作る根本的な進化的・生態学的促進要因については、いまだに理解が進んでいない。今回我々は、両親による子の世話という状況でのこれらの行動リズムについて調べた。両親による子の世話は、社会的同調でも特に不安定な局面であり、つがいを形成する各個体が自らのリズムを放棄する可能性を伴う。両親が同調して発生中の卵の連続的な抱卵を成し遂げる渉禽類32種について、91個体群の729の巣から得られたデータを用いて、我々は抱卵リズムには種内および種間において著しい多様性が存在することを明らかにする。異なる種間において、片方の親の抱卵時間の中央値は1~19時間、周期長(片方の親の抱卵確率が最高値と最低値とを一巡する時間)は6~43時間といずれも多様だった。抱卵時間の長さはエネルギー需要を反映する変数とは関連していないが、隠蔽(他の動物からの視覚的な検出を避ける能力)に依存する種では、容易に目につく種や、捕食者に対して能動的に巣を守る種よりも抱卵時間が長かった。高緯度域では24時間の明暗周期と同調したリズムが少なく、18種では欠如していた。今回の結果は、環境条件が類似していても、また24時間という一様な環境信号があるにもかかわらず、社会的同調によって、飼育下個体を対象にした研究から推測されたよりもはるかに多様な行動リズムが生じ得ることを示している。飢餓リスクではなく捕食リスクが、こうしたリズムの多様性の背後にある重要な要因である可能性がある。

