Nature ハイライト

構造生物学:Ton複合体の構造と機能

Nature 538, 7623

Ton複合体はグラム陰性細菌の内膜にある装置で、外膜にある輸送体と共に働いて、細菌内膜内外に生じたプロトン駆動力を利用してエネルギーを変換し、外膜へ送る。ExbB、ExbDおよびTonBという3つの膜貫通タンパク質成分からなるTon複合体の構造学的特徴が、巧妙な研究によって今回初めて明らかにされた。X線結晶学の手法と電子顕微鏡法、それに電子–電子二重共鳴(DEER)分光法を用いて、S BuchananたちはTon複合体の機能と化学量論的性質に関する新しい機構論的考察を示している。このような知見は、やはりプロトン駆動力を利用して機械的エネルギーを生成する、Tonと相同なTolやMol複合体へも拡張できるだろう。

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