Nature ハイライト

がん遺伝学:海洋生物種に見られる伝播性のがん

Nature 534, 7609

スペインのアロウサ湾で採集されたマルスダレガイ科の二枚貝<i>Polititapes aureus</i>。アサリやハマグリと近縁に当たる。
スペインのアロウサ湾で採集されたマルスダレガイ科の二枚貝Polititapes aureus。アサリやハマグリと近縁に当たる。 | 拡大する

Credit: David Iglesias

伝播性の腫瘍は非常に珍しいが、有袋類のタスマニアデビルやイヌ、さらに最近ではオオノガイでも見つかっている。今回S Goffたちは、海産の二枚貝3種(ヨーロッパザルガイ、キタノムラサキイガイ、マルスダレガイ科のPolititapes aureus)にも伝播性の播種性腫瘍があることを明らかにした。P. aureusのがん系統は、別の近縁な二枚貝種から伝播したものだった。これらの知見は、伝播性の腫瘍がこれまで考えられていたよりも広く存在していることや、非常に珍しいが、種を越えたがんの伝播も起こり得ることを示唆している。

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