Nature ハイライト

幹細胞:タンパク質合成と幹細胞性

Nature 534, 7607

タンパク質合成の調節と幹細胞機能の関係については、まだよく分かっていない。今回M Fryeたちは、マウスの皮膚幹細胞と腫瘍開始細胞が、それらのより分化が進んだ娘細胞に比べて、合成するタンパク質が少ないことを明らかにした。転移RNAのシトシンの5位のメチル化を遺伝学的に抑制すると、マウスにおいて翻訳抑制状態の維持が促され、この状態では幹細胞と腫瘍開始細胞が細胞傷害性ストレスへの感受性を高めた。このことから、組織と腫瘍のどちらの再生にもこの抑制の解除が必要だと考えられる。

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