Nature ハイライト

進化:アジアにいた昆虫食の初期霊長類

Nature 427, 6969

中国で見つかった頭骨の化石から、およそ5,500万年前のアジアに現代型の霊長類が生息していた可能性が出てきた。この太古の霊長類は昆虫を好んで食べていたらしい。 X Niたちが今回報告した化石は中国の湖南省で出土した小さい頭骨で、保存状態がよく、完全な下顎が残っている。脳頭蓋は大きく、眼窩は骨で縁取りされており、現代型霊長類のように見える。しかし頭骨自体は小さく、歯列は原始的である。このことから、この霊長類は昆虫を常食としていたとみられる。Niたちはこの化石をTeilhardina属の新種だとしている。 現代型霊長類の最古の化石は、およそ5,500万年前にあたる始新世初めの北米やヨーロッパに突然出現する。アジア産のこれまでの化石標本は数が乏しく、破片状態のものしかなかった。

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