Nature ハイライト

分子生物学:Paf1は遺伝子サイレンシングを妨げる

Nature 520, 7546

内在性の低分子RNAは、酵母や植物をはじめとする真核生物の反復配列において、サイレンシングされたクロマチン形成を促すことが知られているが、人工的な低分子RNAにより、de novoのヘテロクロマチン形成を引き起こすことは難しい。今回、M Bühlerたちは、分裂酵母には、低分子RNAによるヘテロクロマチン形成や遺伝子サイレンシングを妨げる機構があることを明らかにした。この機構が、間違った転写産物による望ましくないサイレンシングからタンパク質コード遺伝子を保護しているのではないかと考えられる。この保護機構には、転写伸長やmRNAのプロセシングを促すことが知られているPaf1タンパク質複合体(Paf1C)が関与している。Paf1C変異体で確立されたこのRNAを介した遺伝子サイレンシングは、複数回の細胞分裂を通して、エピジェネティックに維持され得る。

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