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分子生物学:Paf1複合体は低分子RNAを介したエピジェネティックな遺伝子サイレンシングを抑制する

Nature 520, 7546 doi: 10.1038/nature14337

外部から導入された二本鎖RNAが、相同な塩基配列の発現を抑制する能力をRNA干渉(RNAi)と呼ぶ。サイレンシングは、Dicerと呼ばれる酵素が、二本鎖RNAを低分子干渉RNA(siRNA)へプロセシングすることにより開始する。低分子RNAは、Argonauteタンパク質を含むエフェクター複合体へ組み込まれ、それを相補的塩基配列の標的へ誘導して、さまざまなタイプの遺伝子サイレンシング、具体的には、転写後遺伝子サイレンシングとクロマチン依存的遺伝子サイレンシングを仲介させる。生物界全体において、内在性の低分子RNAはクロマチンを介した過程に非常に重要であるが、siRNAを用いてトランスな作用によりクロマチン修飾を開始させる試みは、どの真核細胞でも本来的に実現が困難である。本研究で我々は分裂酵母を用い、RNAiによるヘテロクロマチン形成が、非常によく保存されたPaf1C(RNA polymerase-associated factor 1 complex)により負に制御されることを示す。Paf1C変異体で合成ヘアピンRNAを一時的に発現させると、相同配列遺伝子座で安定的なヘテロクロマチン形成が誘導され、トランス作用による効率的な遺伝子サイレンシングが起きた。この抑制状態は、二次的なsiRNAが継続的に産生されることにより、人工ヘアピンRNAとは独立に、世代を介して伝播される。我々のデータは、Paf1Cが、siRNAを含むRNA誘導性の転写サイレンシング複合体による新生転写産物の標的化、そしてその結果起こる、効率的な転写終結と転写部位からのRNAの速やかな解離の促進によるエピジェネティックな遺伝子サイレンシングを妨げるというモデルを裏付けている。また我々は、転写終結の阻害は、トランスに作用するsiRNAによる双安定性のヘテロクロマチン形成を開始するのに十分であるが、抑制状態を安定化するためには、転写終結と新生転写産物の解離がどちらも障害されることが必須であることを示す。我々の研究は、低分子RNAを介したエピゲノム調節における新たな機構を明らかにし、エピジェネティック記憶の形成に、Paf1CとRNAi機構が主要な役割を持つことをはっきりと示している。

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