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人類学:レバントはヨーロッパへの架け橋

Nature 520, 7546

イスラエルのマノット洞窟。
イスラエルのマノット洞窟。 | 拡大する

Credit: Israel Hershkovitz, Ofer Marder & Omry Barzilai

イスラエル北部で見つかった約5万5000年前の部分的頭蓋骨は、アフリカを出た解剖学的現生人類が世界各地に広がって他の全てのヒト族に取って代わるという、極めて重要だがまだほとんど分かっていない先史時代の出来事を解明する手掛かりとなる。この「Manot 1」と呼ばれる頭蓋骨標本の形状は、後期旧石器時代のヨーロッパ人やそれより新しい時代のアフリカ人の頭蓋骨と似ているが、レバント地方で出土した他の解剖学的現生人類のものとは異なっている。こうした知見から、Manot 1はヨーロッパに定着した人類集団を代表するものであり、同一の限られた地理的領域内にネアンデルタール人と共存していたことが明らかになっている最初の解剖学的現生人類であることが示唆される。

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