Nature ハイライト

生化学:Qによって温室効果ガスを液体燃料へ

Nature 518, 7539

「化合物Q(Q)」は、メタン酸化細菌が持つ可溶性メタンモノオキシゲナーゼ(sMMO)系の重要な過渡的中間体である。R Banerjeeたちは今回、その構造を時間分解共鳴ラマン振動分光法を用いて明らかにした。Qは既知のものの中で最強の生物学的酸化剤であり、メタンの極めて安定なC–H結合の開裂を触媒して酸素原子を挿入し、液体燃料となるメタノールを生成する。Qの構造や作用機序の解明がさらに進めば、この酵素を模倣した小型分子を合成して自然発生するメタンをメタノールに変換するのに使うことができ、有害な温室効果ガスを液体燃料や化学製品の重要な供給源に変えられるかもしれない。

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