Nature ハイライト

免疫学:腸内微生物にとって良い宿主

Nature 514, 7524

健全な腸内微生物相の存在は宿主の健康にとって重要なので、感染に対して宿主の全身が応答する際に、「良い」微生物を守るために宿主の資源が費やされたとしても不思議ではない。そうした資源の投入の1つが、L-フコシル化である可能性がある。糖タンパク質や糖脂質に結合しているL-フコースは、微生物にとっては利用可能だが、宿主のエネルギー摂取には利用できない。今回J Pickardたちは、マウスの全身をToll様受容体リガンドに曝露すると、樹状細胞やインターロイキン(IL)-22に依存した機構を介して小腸上皮でフコシル化が誘導されることを明らかにした。フコシル化したタンパク質の一部は腸管内腔へと放出され、フコースはそこで遊離されて腸内微生物相の栄養源となり、宿主にとって有益な短鎖脂肪酸の産生に寄与する。

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