Nature ハイライト

気候科学:最終退氷期における炭素循環の変化

Nature 514, 7524

2万3000~9000年前の最終退氷期に大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の増加をもたらした過程はまだよく分かっていない。今回、西南極氷床分水嶺の氷床コアから得られた、CO2とメタンの高分解能の記録が示されている。この記録から、3回の約400年間にわたる急激なCO2濃度上昇段階を経て、最終氷期–間氷期における大気中のCO2の増加と関連する直接放射強制力のかなりの割合が生じたことが見いだされた。この急速な百年スケールの二酸化炭素の変動モードは、大西洋の南北方向の鉛直循環の強さによって制御されている可能性がある北半球の気候と密接に関連していると、著者たちは考えている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度