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Cover Story:ワクチンによる救済:致死的な感染症を引き起こす真菌のカエルツボカビによって絶滅の危機にある両生類が免疫付与により救われる可能性

Nature 511, 7508

カエルツボカビに対して免疫を獲得できることが明らかになった、キューバズツキガエル。
カエルツボカビに対して免疫を獲得できることが明らかになった、キューバズツキガエル。 | 拡大する

Credit: Joseph Gamble

真菌病原体であるカエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis、略称Bd)は世界中で多くの両生類の減少に関わっていることが示されている。これまで、両生類がこの病原体に対する抵抗性を獲得できる証拠はほとんどなかったが、今回J Rohrたちは、キューバズツキガエル(Osteopilus septentrionalis)などの複数種の両生類で実験を行い、カエルがこの病原体を回避することを学習したり、Bd反復曝露後に生じるBd誘導性免疫抑制を克服し得ること、また、死んだ病原体を用いてBdに対する免疫を獲得できることを実証した。現在行われている保護計画では、感染の恐れのある両生類をBd陽性の生息地から移し、飼育下で繁殖させている。こうした個体について、ワクチンを使って抵抗性を誘導してから野生に戻すようにすれば、壊滅的な個体数減少が見られた地域でも数を増やすことが将来的に可能になるかもしれない。

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