Nature ハイライト

細胞:多能性を誘導する新たな手段

Nature 505, 7485

STAP細胞から形成されたマウス胎仔。
STAP細胞から形成されたマウス胎仔。 | 拡大する

Credit: Haruko Obokata

哺乳類の体の大部分を構成する体細胞の運命は、発生の細胞分化過程が完了するころまでには、ほぼ決まっていると考えられている。環境ストレスに応答して起こる再プログラム化は植物では観察されているが、哺乳類の細胞ではこれまで知られていなかった。今回、小保方晴子(理化学研究所ほか)たちによる2編の論文で、意外な再プログラム化現象が報告され、著者たちはこれを刺激誘導型の多能性獲得(STAP;stimulus-triggered acquisition of pluripotency)と名付けている。STAPでは、CD45+造血細胞のようなマウスの体細胞が、一過的に低いpHにさらされることで、多能性状態へと再プログラム化される。STAP細胞の分子的特徴や発生能についての詳細な解析では、これらの細胞が独特な多能性状態をとることが示唆された。また、iPS(誘導多能性幹)細胞の作成には通常、転写因子が使用されているが、STAP細胞はそれに代わる多能性細胞供給源になり得ると考えられる。

2014年1月30日号の Nature ハイライト

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