Letter
細胞:多能性を獲得した再プログラム化細胞における二方向性の発生能
Nature 505, 7485 doi: 10.1038/nature12969
最近、我々は、致死量に至らない刺激への曝露により、体細胞が多能性細胞に再プログラム化されるという予想外の現象を発見した。この現象を我々は、刺激誘導型の多能性獲得(STAP;stimulus-triggered acquisition of pluripotency)と呼んでいる。この再プログラム化は、核移植あるいは遺伝学的操作を必要としない。本論文では、再プログラム化されたSTAP細胞は、胚性幹(ES)細胞とは異なり、胚盤胞注入アッセイで見られるように、胚性組織および胎盤組織の両方に寄与できることを報告する。マウスSTAP細胞は、副腎皮質刺激ホルモンおよび白血病抑制因子(LIF)処理によりES様幹細胞に変換するが、その過程で栄養膜前駆細胞マーカーの発現および胎盤へ寄与する能力の両者を喪失する。対照的に、Fgf4存在下で培養すると、STAP細胞は、栄養膜前駆細胞の特徴が増強された増殖性幹細胞を生じる。特に、STAP細胞からFgf4によって誘導された幹細胞は、従来の栄養膜幹細胞とは異なり、in vivoで胚性組織および胎盤組織の両方に寄与し、また、LIF含有培地で培養された際にES様細胞に転換する能力を有する。以上より、STAP細胞の発生能は、キメラ形成およびin vitroの細胞変換で示されるように、STAP細胞が独特の多能性状態にあることを示している。

