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物理学:量子ポイントコンタクトにおける「0.7異常」の解明

Nature 501, 7465

量子ポイントコンタクト(QPC)のコンダクタンスにおける「0.7異常」と呼ばれる現象は、1996年に発表されたキャベンディッシュ研究所のM Pepperたちの論文で初めて報告された。QPCとは、電子の波長と同程度の幅を持つ狭いくびれであり、2e2/hという単位で量子化されるが、測定するとコンダクタンス量子の0.7付近に肩が現れる。この効果の起源は発見以来議論の的になっているが、今回2つのグループがそれぞれ独立に、一見したところ異常に見えるこの挙動の説明に大いに役立つ研究結果を報告している。どちらのグループも、近藤効果に見られる状態に似た準束縛状態の関与を裏付ける証拠を見いだしているが、F Bauerたちは、エネルギー準位が高いほど、ポイントコンタクトにおける最低エネルギーバンドの一次元性の重要度が高まることを報告している。

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