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物理学:量子ポイントコンタクトにおける「0.7異常」の微視的起源

Nature 501, 7465 doi: 10.1038/nature12421

量子ポイントコンタクトとは、例えば局所ゲートに電圧を印加することによって、二次元電子系に通常形成される一次元状の狭いくびれである。ポイントコンタクトの線形コンダクタンスは、チャネル幅の関数として測定すると、GQ = 2e2/hという単位で量子化される。ここでeは電子電荷、hはプランク定数である。しかし、このコンダクタンスは、0.7GQ付近に意外な肩も持つ。この現象は「0.7異常」として知られているが、その起源はいまだに議論の的になっている。過去に提唱された理論的説明では、自発的スピン偏極、強磁性スピン結合、近藤効果につながる準束縛状態の形成、ウィグナー結晶化、非弾性散乱のさまざまな取り扱いが引き合いに出された。しかし、通常付随するゼロバイアスピークを含め、0.7異常領域におけるさまざまな実験観測結果を完全に再現する明確な計算結果は、まだ出ていない。今回我々は、0.7異常とゼロバイアスピークの両方について詳細な微視的説明を行う。それらの共通の起源は、ポイントコンタクトの最低一次元サブバンドの底の局所状態密度における不鮮明なファン・ホーブ特異点であり、これがHartreeポテンシャル障壁、スピン磁化率、非弾性散乱レートの異常な増大を引き起こす。我々は、ゲート電圧、磁場、温度、ソースドレイン電圧(ゼロバイアスピークを含む)および相互作用強度に対するコンダクタンスの依存性に関して、理論計算と実験結果の間に定性的に良い一致を見いだしている。また、我々は、0.7異常を支配する低エネルギースケールがゲート電圧と相互作用にどのように依存するかを明らかにしている。我々は、低エネルギーの場合において、量子ドットでの近藤効果に関連する挙動と類似したフェルミ液体挙動を予測し観測している。しかし、高エネルギーでは0.7異常と近藤効果の類似性は途絶える。

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