Nature ハイライト

宇宙:小惑星エロスを震撼させた隕石衝突

Nature 436, 7049

 小惑星エロスではたった1個の巨大隕石の衝突によって、その表面の40%にあたる地域から小さなクレーターがほとんど消え失せてしまったらしい。  NEARシューメーカー探査機が2000年から翌年にかけて収集したエロスのデータは、この小惑星全体を詳細にマッピングしたものである。P Thomas とM Robinson はこのデータを用いて、衝突によって生じた振動でエロスが激しく揺さぶられ、小さなクレーターが崩壊してしまったのだろうと論じている。このことからすると、33×13×13kmという大きさの岩石であるエロスの内部は比較的均一で、激しい衝撃を効率よく伝達したのだろうと考えられる。  「この結果は、クレーターの記録から小惑星表面の年代を決定するという習慣的に使われてきた方法に問題を投げかけるかもしれない」と、E Asphaug はNews and Viewsで語っている。

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