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遺伝:針葉樹の巨大なゲノムの概要配列

Nature 497, 7451

今回ゲノム概要配列が明らかになったオウシュウトウヒ。
今回ゲノム概要配列が明らかになったオウシュウトウヒ。 | 拡大する

Credit: © Håkan Lindgren

裸子植物の最初のゲノム概要配列として、オウシュウトウヒ(Picea abies)の概要ゲノムが、トウヒゲノムプロジェクト・コンソーシアムによって発表された。このゲノムは、1959年にスウェーデン中部のイェムトランド東部で採取された木に由来する。オウシュウトウヒのゲノムは20ギガ塩基もあり、モデル植物種であるシロイヌナズナ(Arabidopsis)のゲノムの100倍以上のサイズだが、ゲノムに含まれる遺伝子の数はほぼ同じである。トウヒのゲノムサイズが大きいのは、転移因子が蓄積した結果であると考えられる。さらに5つの裸子植物ゲノムとの配列比較解析から、転移因子の多様性が現存する針葉樹間で共有されていることが示唆された。この塩基配列データは、ConGenIEウェブサイト(http://congenie.org/)で公開されている。

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