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細胞生物学:オートファゴソームの起源の再検討

Nature 495, 7441

損傷を被ったり、機能を失ったりした細胞成分やタンパク質複合体のオートファジーによる分解は、細胞に不可欠な機能である。不要な物質は、リソソームに似ているが破壊酵素を持たない小胞であるオートファゴソームにまず取り込まれ、さらにリソソームへと運ばれて、最終的に分解される。今回、吉森保(大阪大学)たちは、オートファゴソームは小胞体とミトコンドリアが接触している部位で形成され、形成にはSNAREタンパク質の1つのシンタキシン17が必要なことを明らかにしている。細胞で新しいオートファゴソームができる仕組みがわかったことで、オートファゴソーム形成に関する、互いに矛盾する2つの考え方、つまりオートファゴソームの起源は小胞体にあるとする説と、ミトコンドリアにあるとする説が1つにまとまる方向に進みそうだ。

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