Nature ハイライト

進化:イヌがヒトとの生活を選んだとき

Nature 495, 7441

イヌはオオカミよりもデンプンをより効率よく消化できる。
イヌはオオカミよりもデンプンをより効率よく消化できる。 | 拡大する

Credit: Lauren Solomon, iStockphoto, Nicholas Moore

イヌおよびオオカミの全ゲノム塩基配列の再解読により、イヌの家畜化の過程で選択の標的になったと考えられるゲノム領域が多数見つかった。そのような遺伝子36個のうちの過半数は脳に関係しており、その中にはイヌの家畜化で重要と考えられる行動変化に関係するものがいくつか含まれていた。意外にも、選択を受けたことを示す10個の遺伝子はデンプンの消化および脂質の代謝に重要なものであり、現在のイヌは肉食性のオオカミと比較してデンプンの多い食餌でもうまく生きていけるようになっている。この食餌の変化を示す証拠から、農業革命の過程で定住化したヒト集落から廃棄された残飯を食べるという、新しい生態的ニッチをイヌが見いだしたのではないかと考えられる。

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