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環境:中国全土にわたる窒素濃度の増加

Nature 494, 7438

濃いスモッグに覆われた、北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」。
濃いスモッグに覆われた、北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」。 | 拡大する

Credit: Mr. Guo Zhong

大気中への窒素排出量は、産業革命が始まって以来かなり増加しており、その結果生じる窒素沈着は、ヒトの健康や生態系の健全性に有害な影響を与える可能性がある。しかし、経済が最も急速に成長を続けている今日の中国における、窒素沈着の規模やその結果生じる環境への影響についてはほとんどわかっていない。今回、1980年代から2000年代にかけて、年ごとの窒素の平均バルク沈着量が、1ヘクタール当たり約8 kg増加したことが報告されている。バルク沈着における窒素の主な形態はアンモニウムであるが、増加速度は硝酸塩の沈着が最も大きい。さらに窒素沈着は、半自然生態系における植物の葉の窒素濃度を増加させ、長期間未施肥の耕作地における穀物の窒素吸収も高めている。

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